2019年度第4回北辰テストレビュー(数学)

こんにちは。
公立高校受験指導専門塾
英泉塾中浦和校の佐藤です。

9月1日に実施された北辰テスト第4回の結果が、昨日もしくは今日、各ご家庭に届いたかと思います。(英泉塾で申し込んだけど、まだ結果が来ていない!という場合は至急塾にご連絡ください。)

今回は、北辰テスト第4回の数学のレビューをしていきます。

今回の北辰テストの数学で、どの問題を正解すべきだったのか、差がつく問題はどこなのか、といったことについても解説していきます。

北辰テストの全県平均点は44.9点!

今回の北辰テスト(数学)の平均点は44.9点

相変わらずの低さです。

それだけ問題が難しいということですね。

ちなみに今年度の北辰テストの数学の平均点は以下のようになっています。

第1回数学 43.0点
第2回数学 46.9点
第3回数学 44.9点
第4回数学 44.9点 ←今回

ということで、第4回の数学の平均点が特別低いわけではありません。

いつも数学の平均点は低いです。

 

これから使う記号

これから北辰テストの数学の問題を見ていきます。

問題を見ていく際に使う記号を以下のように設定します。

◎…全受験生にとって正解すべき問題
△…全受験生にとって不正解でも大きな痛手にならない問題
★…上位校を狙うなら正解すべき問題(=差がつく問題)
☆…中位校を狙うなら正解すべき問題

上位校の目安としては偏差値65以上、中位校の目安としては偏差値55以上を想定しています。

それでは始めていきます。

 

大問1は36点必須!

大問1(49点)

問1…文字式の計算(4点)◎
問2…正負の数の計算(4点)◎
問3…平方根の計算(4点)◎
問4…式の値(4点)◎
問5…因数分解(4点)◎
問6…連立方程式の計算(4点)◎
問7…比例の変域(4点)◎
問8…文字式の利用(4点)◎
問9…角(4点)◎
問10…資料の活用(4点)☆
問11①…2乗の計算(4点)◎
問11②…文字による説明(5点)★

大問1は◎の問題が36点分あります。

問7の変域の問題はグラフを描いて考えられるかがポイント。

問9の角の大きさを求める問題は、問題用紙を反時計回りに少し回転させてから考えると、解きやすくなります。

中位校以上を目指す人なら、問10も正解しておきたいところ。

問10の受験生全体の正答率は49.2%ですが、偏差値55以上の受験生の正答率は63.6%、偏差値60以上の受験生の正答率は77.6%でした。

大問1の中での差がつく問題は問11②です。

問11②の受験生全体の正答率は24.6%ですが、偏差値65以上の受験生の正答率は77.8%、偏差値70以上の受験生の正答率は96.4%でした。

問11②は、文字による説明の典型的な問題です。手順をおさえて書いていけば、正解できる問題です。この問題は”それぞれ”という言葉がキーワードです。別々に2乗することを意識して計算していきましょう。

 

大問2の難易度は高め

大問2(23点)

問1…確率(4点)◎
問2…接線の作図(5点)☆
問3…平方根の利用(4点)△
問4…空間図形(4点)△
問5①…連立方程式の利用の立式(3点)★
問5②…連立方程式の利用(3点)★

大問2は◎の問題は問1の4点分のみです。

今回の問題の大問2は点をとても取りづらい印象です。

難しい問題が多くありました。

受験生全体の正答率が問3で10.7%、問4でまさかの0.9%。

これはかなり低いです。

問1で正解することがとても重要です。

そんな大問2ですが、中位校以上を目指す人なら、問2の作図の問題は正解しておきたいところ。

問2の受験生全体の正答率は39.2%ですが、偏差値55以上の受験生の正答率は50.4%、偏差値60以上の受験生の正答率は69.5%、約7割です。

大問2の中での差がつく問題は問5の2問です。

問5①の受験生全体の正答率が20.4%、問5②が16.3%です。

しかし偏差値65以上の受験生の正答率は、問5①70.3%、問5②61.9%です。

ただの取り違えだけの問題ならよく見かけるのですが、取り違えた上にさらに条件が加わって、となると、とてもややこしく感じられます。

こういった問題は特に、状況をしっかりイメージしながら解いていくことが大切です。

問5②は、xとyを出しても直接は答えにならないのがまた厄介な印象です。

 

大問3は問1を確実に!

大問3(10点)

問1…比例定数(5点)◎
問2…面積(5点)△

第4回に限らず、入試問題でもそうですが、関数の問題は(1)を確実に取れるようにしましょう

今回の大問3の問1は、反比例の比例定数を求める問題でした。

もし、わからなかったという受験生がいるなら、比例と反比例のそれぞれの比例定数の求め方を復習することを強くおすすめします。(なるべく早く!)

問2はかなり難しい問題でした。受験生全体の正答率は0.2%。

ちなみに、問2は△PBCと△QACの比較が問題となっていますが、そうではなく、△PABと△QABの比較で考えると解きやすくなります。

 

大問4は問2まで解けると理想

大問4(18点)

問1…合同の証明(7点)★
問2…角の大きさ(5点)☆
問3…面積(6点)△

今回の大問4の問1の証明は、難易度が高めの問題でした。

大問4の中での差がつく問題は問1としました。

この問題の正答率は20.7%。

偏差値70以上の受験生の正答率が49.1%、65以上で36.7%。

上位校を狙うような受験生でも、この問題に苦戦したことがわかります。

「∠QBP=2∠ABC」の扱い方に困った受験生も多かったのではないでしょうか。

同じ角の大きさの部分に同じ記号を書くようにすると少しわかりやすくなります。

差がつく問題としましたが、全受験生共通で、途中まで証明を書くことはとても大切です。

2組の辺は仮定として使えるので、その部分はしっかり書いておきましょう。

証明だから、といって投げ出してしまうのはとても損ですよ。

 

問2は、受験生全体の正答率が34.8%で問1より高くなりました。

問1で合同を証明できていなくても、合同であると決めて解く問題です。

もちろん問1ができていなくても、問2で正解できていれば当然5点もらえます。

この問題の偏差値60以上の受験生の正答率は61.3%、65以上で77.7%でした。

そのため、問2の問題には☆マークをつけました。

問1でもそうですが、少し考えて答えが出ないから解くのやめよう、はとてももったいないですよ。諦めずに粘る意識で、今後も図形の問題は解くことをおすすめします。

 

問3は、受験生全体の正答率が0.4%でした。この問題は解けなくても大きな痛手にはなりません。

多くの受験生にとって、この問題を考えることよりも、これまで解いてきた問題の見直しをすることのほうが優先順位は高いでしょう。

この問題1問落とすより、大問1の◎の2問を落とす方がよっぽど痛いです。

 

まとめ

全受験生にとって正解すべき問題(◎)は、49点分でした。

内訳
大問1 問1~問9・問11①
大問2 問1
大問3 問1

上の49点分すべてが取れれば、偏差値52です。

この49点にどれだけ+αがあるかが勝負の分かれ目になります。

差がつく問題(★)は、18点分でした。

内訳
大問1 問11②
大問2 問5①・②
大問4 問1

上の18点がしっかり取れた受験生は、自分の目標とする偏差値に大きく近づけたのではないでしょうか。

 

北辰テストの数学で大事なことは、簡単な問題で正解できるかどうか、ということです。

今回の北辰テストの数学で言えば、◎の4点の問題を1つ間違えただけで、偏差値に2.0~2.5程度のダメージを及ぼします。

これが3問も4問ももしあったとしたら…

考えただけでもぞっとしますね。

今回の結果を受けて、喜んだ受験生もいれば、悲しんだ受験生もいたかと思います。

しかしこの第4回の北辰テストは、あくまで通過点です。

うまくいこうがいかなかろうが、まだ次があります。

次の北辰テストは9月29日です。

北辰テストまで、まだ時間はあります。

北辰テストの過去問や全国過去問も使いながら、数学の勉強をこれからも日々重ねていきましょう。

以上、北辰テスト第4回の数学のレビューでした。